Microsoft teams はお手軽に情報共有ができます。これは、メッセージに限らずファイルも同様です。
例えば、共同作業でわいわい言いながら企画書を作成することが簡単にできます。
ですが、事前に取りきめ(環境整備)しておかないと、混沌としたファイルの海に溺れることになります。
今までのシリーズはこちらから。
Microsoft teamsの設定(その1:ゲストアクセス)
Microsoft teamsの設定(その2:共有ファイル①)
目次
共有ファイルの海
現状では、情報共有と成果物共有(ファイル共有)は別ものとして考えないといけません。そして共有も ”今の共有” と ”過去の共有” で考える必要があります。
”今の共有” は、いわば「ファイル作成中の共同編集」で ”過去の共有” は「出来上がったファイル」です。
たとえば、メールで「ファイル作成中の共同編集」を行う場合は、メールに作成中のファイルを添付して共有することにより、多くのファイルが存在することになります。毎回ファイル名を変えて添付すればよいのですが、同一ファイル名で添付されると様々なバージョンの同一ファイルが作成され「どれが最新のファイルかわからない」ことになります。
一方、Microsoft excelなどの ”共同編集モード” を使うと、ファイルは一つになりますが、「皆が同時に接続する必要がある」「ファイルの共有機能に問題がある」といったことがあります。
チャットでの共有は、「多くのファイルが存在する」や「全員が一堂に集まる必要がない」と前述の課題をクリアすることができます。
しかし、このメリットは ”今の共有(ファイル作成中の共同編集)” に限った話です。
”過去の共有(出来上がったファイル)” に関しては、チャットでの共有はお勧めしません。
Microsoft Teamsの共有ファイルの仕様
Microsoft Teams では、添付ファイルは裏側にあるそれぞれのサービスに保存されます。
チーム(チャネル)の投稿 | SharePoint のチームサイトの「チーム名のフォルダ」 |
チャット | ファイル投稿した人の Onedrive for Businessの「Microsoft Teams チャット ファイル」フォルダ |
そのため、すでに存在しているファイルと同じ名前のファイルをアップロードすると、リネームするか上書き保存するかが求められます。
これにより、修正中のファイルは一つのファイルでバージョン管理することになり、同一ファイル名のファイルが乱立するといった混沌は回避することができるようになります。
Microsoft Teamsの共有ファイルの混沌のはじまり
しかし、チャットやチーム(チャネル)の投稿でメッセージにファイルを添付すると、ファイルの保存は階層化することなく1階層にすべて並んでしまいます。
つまり、チームでチャネルごとに投稿しても、すべて同一階層に保存されてしまいます。
例えば、以下の例では チャネルは異なるがチームは同じなので ”「サンプルA.doc」はファイル名が同じなので、ファイルは同じもの” とされてしまいます。
チーム:プロジェクトX チャネル:佐藤チーム ファイル:サンプルA.doc |
「サンプルA.doc」ファイルの中身は、食品サンプルの仕様 |
チーム:プロジェクトX チャネル:山田チーム ファイル:サンプルA.doc |
「サンプルA.doc」ファイルの中身は、企画書のサンプルドキュメント |
チャットの場合はもっと紛らわしいです。
例えば、チャットの場合は、「佐藤さんとサンプルB.docを共有」した後に、同じファイルなのに「サンプルB.docを山田さんと共有」することができません。
これは、共有するたびにファイルが新規に作成されるためです。
チャット相手:佐藤さん ファイル:サンプルABdoc |
「サンプルB.doc」ファイルは一つだが、 最初に佐藤さんとの共有で「サンプルB.doc」ファイルが保存されたので 次の佐藤さんとの共有では「サンプルB.doc」のファイル名は使えない |
チャット相手:山田さん ファイル:サンプルB.doc |
どうするか
運用でカバーするしかありません。しかし、ユーザのリテラシに訴える運用など、すぐに破綻します。
ですので、ここは割り切って
Microsoft teamsは、「ファイル作成中の共同編集」をおこない、 出来上がったファイルの保存は「ファイルサーバ(やsharepointなど)」でおこなう。 Microsoft teamsに載せるなら「ファイルのリンク」にする |
が良いと思います。
具体的な方法は次回にします。
次の操作
次回は、「Microsoft teamsの設定(その2:共有ファイル②)」になります